日時: 2026年10月25日(日)
天候: 雨
場所: 生駒市高山町
参加人数: 5名
今回の高山自然観察会のテーマは、「マイマイ(カタツムリ)」。
カタツムリミュージアム らせん館(京都府木津川市)の館長さんと一緒に歩きました。
あいにくの雨模様で、少人数の観察会となりましたが、たくさんの発見があり、学び多き会になりました。
一口にカタツムリといっても、種類によって殻の形や大きさ、模様はさまざま。同じ種類でも個体ごとに違いがあり、じっくり観察してみると、これまで気づかなかった特徴が見えてきます。
タカキビ
殻の高さが3〜4mm程度の非常に小さなカタツムリ。
貝殻の形や色が、雑穀の「タカキビ」の実に似て、
赤み(あるいは黄色み)を帯びた
球形に近い円錐形をしていることから名付けられた
見たことのないマイマイを探すのは、まるで宝探しのよう。
身近な自然の中に、まだまだ知らない生きものの世界が広がっていることを感じました。
激しい雨が降っている間は、なかなか観察も困難でしたが、11時ごろに雨が上がると、落ち葉の裏や木の幹など、あちこちでマイマイたちを発見!
木を登り始めるカタツムリの姿も見られました。
雨の日ならではの、マイマイたちの生き生きとした姿を観察することができました。
アワジオトメマイマイ(旧分類)
透明感のある淡褐色の殻をもつ。
本州(近畿地方など)や四国、淡路島などを中心に記録されている)
今回、館長さんからカタツムリの生態について、いろいろと教えていただきました。
まず驚いたのが、カタツムリはオスとメスの両方の生殖機能を持っているということ。
カタツムリの多くは「雌雄同体(しゆうどうたい)」で、1匹がオスとメス、両方の役割を持っています。
動きの遅いカタツムリにとって、仲間と出会うこと自体が貴重な機会。雌雄同体であれば、出会った相手と交尾できる可能性が高まります。
そして、もう一つ面白かったのが、殻の入り口が反り返ると、成長が止まったサインだということ。
カタツムリの種類によっては、成長して大人になると、殻の入り口が外側に反り返り、「反転」と呼ばれる状態になります。これは殻の成長がほぼ終わった証拠なのだそうです。
小さな殻にも、成長の記録が残されているんですね。
カタツムリの頭にある「頭瘤(とうりゅう)」は、触角(ツノ)の間に現れるイボのような突起で、繁殖期に発達し、相手を引き寄せるフェロモンに関係する器官だそうです。
竹にいたクチベニマイマイにも頭瘤が見られ、ほかの個体でも確認することができました。
ちなみに、カタツムリの仲間には、交尾の際に「恋矢(れんし)」と呼ばれる針状の器官を相手に刺す種類もいるそうです。
この恋矢は、交尾の際に相手に分泌物を届け、繁殖の成功率を高める役割があると考えられています。
カタツムリの恋愛事情、なかなか奥深いですね。
次は、そんな繁殖行動も観察できたら面白そうです。
頭瘤を確認したクチベニマイマイ
クチベニマイマイ
関西地方にすむ、樹上性のカタツムリ。
殻口の外側が紅色になるのが名前の由来
ナミコギセル
一般的な丸いカタツムリとは異なり、細長く煙管(きせる)のような殻をもつ。落ち葉や朽ち木などに付着する菌類や、腐植質などを食べて暮らしている
今回観察した生物
陸産貝類(マイマイの仲間)
タワラガイ、マルシタラガイ、ウスイロシタラガイ、ニッポンマイマイ(背高型)、
アワジオトメマイマイ(旧分類)、クチベニマイマイ、ナミギセル、ナミコギセル、
フタスジナメクジ、タカキビ
昆虫類
チョウ類
チャバネセセリ、キタテハ、ツマグロヒョウモン(♂♀)、
ウラギンシジミ(♂♀)、ウラナミシジミ
ガ類
モモスズメ(幼虫)、ウスチャヤガ、ヒメエグリバ(幼虫)
クモ類
ジョロウグモ(♀)
鳥類
ヒヨドリ、ホオジロ、モズ、キジバト、ジョウビタキ(♀)
ニッポンマイマイ(背高型)
林縁部の低木の下や木陰の草地で見られる。日本の固有種
マイマイにフォーカスした今回の観察会。普段は見過ごしてしまいそうな小さな生きものに、じっくり向き合うことができました。
マイマイ探しは大人も子どもも楽しめる、宝探しのような面白さがあると感じました。
足元の落ち葉の裏にも、木の幹にも、まだまだ知らない生きものの世界が広がっています。
雨の日だからこそ出会える自然の姿もあるのですね。
では、また来月、里山でお会いしましょう。