🕊️里山つれづれ日記
第2回
イカリモモンガのきおく
🕊️里山つれづれ日記
第2回
イカリモモンガのきおく
子どもの頃の記憶に、大人になってからふと出会った風景や生き物が、
当時の思い出を一気に呼び覚ますようなことってありませんか?
その瞬間は、まるで胸の奥から喜びが湧きあがってくるような...
そんな特別な“出会い”になることがあります。
協会奈良メンバー・Kさんは、最近、高山でまさにその瞬間を体験したようです。
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イカリモンガは昼間に活動する蛾で、私が昔から大好きな生き物のひとつです。
これまで「地元でしか会えない」と思っていたのですが…今回、高山で出会うことができました!
胸がいっぱいで、思わず興奮してしまいました。
実はこの蛾は、私にとって特別な存在です。
小学生の頃、よく遊んでいた相撲場のある公園の近くで、初めてイカリモンガを見つけました。
ベニシジミでもタテハチョウでもない、見たことのない不思議な姿。
私は夢中になりましたが、友達は「よくいる蝶でしょ」と言って通り過ぎていきました。
後日、図鑑を開き、初めてその名前を知りました。
しかしそこには「山地に生息し、シダを食草とする」「平野の住宅地にはいないはず」と書かれていました。
私は子どもながらに考えました。
風に乗ってやってきたのかもしれない。
車に紛れて来たのかもしれない。
川沿いの緑をたどってやって来たのかもしれない。
どこかで息づき、増えていたのかもしれない。
その後もしばらく、私は同じ場所でイカリモンガを見ることがあり、
「自分だけが知っている秘密」として、大切に心にしまっていました。
社会人になってカメラを手にするようになり、イカリモンガにも会いましたが、
関西の地で見ることは一度もありませんでした。
だからこそ、今年、高山で出会えた時のあの喜びは、言葉では言い表せません!
イカリモンガは、本当に美しく、
他の蝶や蛾にはない、丸みのある愛らしい姿と表情をしています。
見れば見るほど魅力的に思える不思議な生き物です。
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自然の中の小さな出会いは、人生の宝物になることがあります。
高山は、あなたの“思い出”にも会える予感がする、そんな里山です。